水曜日に発表された米国のインフレデータ（消費者物価指数/CPI）は、金融市場のボラティリティを刺激した。3月のCPIは前年比2.4%の上昇となり、トレーディング・セントラルの予想である前年比2.5%を下回った。
さらに、食品とエネルギーを除いたコアCPIは2.8%上昇と報告され、これも予想の3%を下回った。インフレ率の低下が続けば、連邦準備制度理事会（FRB）がより迅速に利下げを行う余地が広がる可能性がある。
市場参加者は、FRBが今年3回の利下げを行う可能性があると予想しています。この見方は、進行中の貿易戦争の動向と相まって、金曜日（2025年4月11日）の市場動向に影響を与える可能性が高いでしょう。貿易戦争の影響で米国の経済見通しに対する悲観論が高まり、米ドルの「ダンピング」につながっています。
金
金価格（XAUUSD）は先週水曜日から急騰し、本日は1トロイオンスあたり$3,220.08という驚異的な値に達しました。これは史上最高値であり、先週水曜日から$238（2,380ピップス）以上上昇しました。
米中貿易摩擦の激化により、安全資産としての金の需要が大幅に増加しました。さらに、FRBによる年内3回の利下げ観測も金に対する好材料となっており、欧州市場の取引にも引き続き影響を与えると予想されます。
油
木曜日の取引で、原油価格（CLS10）は1バレルあたり$2.47下落し、$60.21となりました。米中間の貿易戦争の激化は世界経済の減速を招き、原油価格に下押し圧力をかける可能性が高いと考えられます。
世界経済の減速の可能性は、原油需要の減少リスクを高めています。このセンチメントは、欧州取引時間中、原油価格の重しとして継続的に作用すると予想されます。
ユーロ/米ドル
EUR/USDは本日の取引で1,840ポイント（184ピップス）上昇し、1.13838となりました。これは2022年2月以来の高値です。
米ドルは現在、中国との貿易戦争による緊張から圧力を受けており、経済成長を阻害する可能性があります。さらに、FRB（米連邦準備制度理事会）は少なくとも3回の利下げを予想しており、さらなる圧力が加わり、EUR/USDのセンチメントはプラスとなっています。
GBPUSD
米ドルが直面している圧力は、GBPUSDの上昇にもつながり、本日は1.30470まで上昇しました。米ドルの弱さに加え、トレーダーは英国経済成長指標（国内総生産/GDP）の発表を注視しており、これがGBPUSDの起爆剤となる可能性があります。
トレーディング・セントラルの予測によると、2月のGDPは前月比0.1%増と、前月の-0.1%から回復すると予想されています。予想を上回る発表があれば、GBP/USDのセンチメントは強まる可能性があります。
米ドル円
USDJPYは木曜日の取引中に3,300ポイント（330ピップス）以上下落し、本日も150ピップス以上下落して142.876となりました。これは2024年10月初旬以来の安値です。
米国の景気減速リスクと、FRBが今年、より積極的な利下げ姿勢を取るとの予想が相まって、USDJPYに圧力をかけている。
ナスダック
ナスダック指数は木曜日に下落し、本日はさらに18,070まで下落した後、緩やかに回復し始めました。米中貿易戦争は、ナスダック指数にとって大きな圧力となっています。
しかし、FRBが6月に利下げに踏み切る可能性があるという市場の見方は、明るい兆しを見せている。そのため、ナスダック指数は引き続き不安定な動きが続くと予想され、先週水曜日の急騰後には利益確定売りに押される傾向にある。
