
金価格(XAU/USD)は、米ドル高と、今後の利下げは限定的と示唆する連邦準備制度理事会(FRB)の見通しの影響を受けて、過去最高値を更新した後、下落している。一方、ナスダックは貿易政策の不確実性と景気後退の懸念から圧力を感じており、アップルやマイクロソフトなどの主要なハイテク株は調整中である。FRBの政策と世界経済の見通しに関する憶測が広がる中、市場のボラティリティは引き続き高止まりすると予想される。
金
金価格(XAU/USD)は欧州取引中に下落し、$3,057の史上最高値に達した後、$3,021に達した。金曜日の取引開始時に記録された3日間の安値からの回復にもかかわらず、価格は2日連続で下落傾向にあり、現在は$3,030をわずかに上回る水準にある。
米連邦準備制度理事会(FRB)が年末までに25ベーシスポイントの利下げを2回のみ実施するとの見通しを受けて米ドル(USD)は堅調に推移しており、投資家は利益確定の動きに動いている。しかし、貿易の不確実性や地政学的リスクが金価格を押し上げる可能性があるにもかかわらず、金融緩和の加速の可能性をめぐる憶測により米ドルが下落し、金価格が支えられる可能性がある。
油
原油価格は、イラン関連の中国独立系製油業者に対する新たな制裁措置に支えられ、前日の急騰後、欧州取引セッション中に$67.86に下落した。利益確定の動きが今日の原油価格の変動を圧迫している。米国がイランの原油輸出に課した厳しい制裁措置は、世界の原油供給の減少につながり、原油市場内の緊張を高め、価格上昇につながる可能性がある。
また、OPEC+が発表した減産も原油価格を押し上げる可能性がある。これらの減産は過剰生産を相殺する狙いがあるが、OPEC+加盟国の一部が生産目標を遵守しないかもしれないという懸念から減産の効果は限定的となり、短期的には原油価格の上昇につながる可能性がある。
ユーロ/米ドル
欧州中央銀行のクリスティーヌ・ラガルド総裁が、ドナルド・トランプ米大統領が主導する貿易戦争はユーロ圏の経済成長を鈍化させる可能性があると警告したことを受け、EURUSDペアは本日午後の欧州取引で引き続き圧力にさらされている。世界的な不確実性の中で、この懸念はユーロにさらなる圧力をかけている。
一方、連邦準備制度理事会(FRB)は、2025年に2回の利下げの見通しを維持しながら、安定した金利を維持している。FRBは、トランプ大統領の貿易政策は米国の経済成長に負担をかけるとともにインフレ圧力を加速させ、将来の金融政策の方向性に影響を及ぼす可能性があると強調した。
GBPUSD
米連邦準備制度理事会(FRB)が金利引き下げを急がないと再確認したことを受け、GBPUSDは対米ドルで1.2920レベル近辺まで下落し、ドナルド・トランプ大統領の新政策に起因する経済不確実性の中でドル高となっている。一方、イングランド銀行(BoE)のアンドリュー・ベイリー総裁は、英国の金利は段階的に引き下げられる可能性があると示唆し、金融緩和は経済データに依存して慎重に行われると主張した。
短期的には、FRBが予想よりも長く引き締め政策を維持した場合、GBP/USDはさらなる圧力を受けるリスクが残るが、英国経済が回復力を示し、BoEが引き続き利下げに慎重であれば、ポンドはいくらかのサポートを見つけることができるだろう。
米ドル円
欧州セッション中、USDJPYは上昇した。これは、2月の日本の消費者物価上昇率が鈍化したというデータを受けて、セッション序盤に日本円(JPY)が引き続き圧力を受けているためである。逆に、年末までに25ベーシスポイント(bp)の利下げが2回のみというFRBの予測によって米ドル(USD)はサポートされており、USDJPYは149.00を上回っている。
それでも、日本における堅調な賃金上昇への期待はインフレ率を押し上げ、日本銀行(BoJ)が2025年までに金利を引き上げる余地を生み出す可能性がある。FRBとのこの政策の相違は、長期的には米ドルの上昇を制限し、円を支える可能性がある。
ナスダック
ナスダックは金曜日、貿易政策をめぐる不確実性と景気後退への懸念、特にハイテク業界に対する追加関税の脅威により圧力にさらされた。アップル、マイクロソフト、エヌビディアなどの主要銘柄は長期にわたる上昇の後に売りに直面し、株価評価の修正を促した。
さらに、連邦準備制度理事会(FRB)が金利引き下げを遅らせるかもしれないという憶測がナスダックの重荷となっている。金利が上昇すると、低い借入コストに依存するハイテク株の魅力は薄れる。経済見通しが不安定なため、ナスダックのボラティリティは近い将来も高いままになると予想される。